京焼・清水焼の作り手を知る

土と向き合い、自分と向き合う。Jiucasca 前田麻美さんインタビュー-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

土と向き合い、自分と向き合う。Jiucasca 前田麻美さんインタビュー

「土の時間に寄り添う」—— 哲学を経て、手仕事の美へ 取材・文:コトポッター店主 横山 比叡山のふもと、静かな町家の一角で、器と真摯に向き合う陶芸家・前田麻美さん。美術、哲学、そして陶芸と、異なる領域を丁寧に歩んできた彼女に、ものづくりの原点と日々の暮らしについて伺いました。   Jiucasca 前田麻美 陶歴 1988年    東京生まれ 2006年    武蔵野美術学園造形芸術科 基礎課程修了 2011年    國學院大學文学部哲学科 卒業 2013年    京都大学大学院文学研究科修士課程修了 2013年    京都にて陶芸を学ぶ 2017年    京都にて独立   絵画、哲学、そして陶芸へ   ――まずは前田さんのご経歴から教えてください。...

土と向き合い、自分と向き合う。Jiucasca 前田麻美さんインタビュー

「土の時間に寄り添う」—— 哲学を経て、手仕事の美へ 取材・文:コトポッター店主 横山 比叡山のふもと、静かな町家の一角で、器と真摯に向き合う陶芸家・前田麻美さん。美術、哲学、そして陶芸と、異なる領域を丁寧に歩んできた彼女に、ものづくりの原点と日々の暮らしについて伺いました。   Jiucasca 前田麻美 陶歴 1988年    東京生まれ 2006年    武蔵野美術学園造形芸術科 基礎課程修了 2011年    國學院大學文学部哲学科 卒業 2013年    京都大学大学院文学研究科修士課程修了 2013年    京都にて陶芸を学ぶ 2017年    京都にて独立   絵画、哲学、そして陶芸へ   ――まずは前田さんのご経歴から教えてください。...

ボタニカルな世界観、陶芸家 前田麻美。-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

ボタニカルな世界観、陶芸家 前田麻美。

京都市北区、比叡山を望む閑静な住宅街に佇む陶房「Jiucasca(ジウカスカ)」。 ここは、若き陶芸家前田麻美さんが立ち上げた、あたらしい清水焼の工房です。「微かな慈雨(じう)」のように、日々の暮らしに静かに潤いを届ける器を生み出しています。 植物や自然の情景から着想を得たボタニカルなデザインと、京焼の伝統を繊細に融合させた器たちは、見た目にも機能にも美しさが息づいています。 陶芸家・前田麻美さん インタビュー 絵画、哲学、そして陶芸へ。異色の経歴を歩んだ前田麻美さんに、うつわ作りの原点と日々の思いを伺いました。 続きを読む   哲学と絵画、そして陶芸へ──異色の歩みが育む美意識 前田麻美さんは、絵画や哲学を学んだのち、陶芸の道へ進んだ異色の経歴を持つ陶芸家です。古代ギリシャ哲学の思考を通して養った論理的な視点は、焼成や釉薬といった技術的な側面にも活かされています。 伝統技法を丁寧に受け継ぎながらも、自由で奥行きのある感性が、彼女の作品に清水焼の新しい風を吹き込んでいます。   ボタニカルな清水焼。おしゃれなうつわで日常に彩りを 前田麻美さんの器の魅力は、花や葉、植物のかたちや模様を取り入れたボタニカルなデザインにあります。 イギリスのアンティークや骨董品からヒントを得た意匠は、どこか懐かしくもあり、現代の暮らしにもなじむおしゃれな器として高く評価されています。 落ち着いた色合いとやわらかなフォルムは、料理や空間のテイストを問わず調和し、和にも洋にも自然に溶け込みます。   日々の食卓に寄り添う、心地よいうつわ 「作る人と使う人の関係を大切にしたい」──そう語る前田麻美さんの器は、ただ美しいだけでなく、毎日の暮らしで使いやすいように設計されています。 料理を選ばず盛り付けられる万能な形とサイズ。器そのものが主張しすぎず、料理を引き立て、使うたびに心が和らぐような存在です。   おしゃれで上質な清水焼を、あなたの暮らしに 京都の風土と文化に根ざしながら、現代の美意識に寄り添う前田麻美さんの作品は、おしゃれな清水焼として、日々の食卓に静かな華やぎをもたらしてくれます。 伝統と感性のバランスを大切にしたうつわは、ギフトとしても、自分のための一品としてもおすすめです。 毎日手に取る器から、暮らしは少しずつ変わっていきます。そんなきっかけを、Jiucascaのうつわから見つけてみませんか? Jiucasca 前田麻美 陶歴 1988年    東京生まれ...

ボタニカルな世界観、陶芸家 前田麻美。

京都市北区、比叡山を望む閑静な住宅街に佇む陶房「Jiucasca(ジウカスカ)」。 ここは、若き陶芸家前田麻美さんが立ち上げた、あたらしい清水焼の工房です。「微かな慈雨(じう)」のように、日々の暮らしに静かに潤いを届ける器を生み出しています。 植物や自然の情景から着想を得たボタニカルなデザインと、京焼の伝統を繊細に融合させた器たちは、見た目にも機能にも美しさが息づいています。 陶芸家・前田麻美さん インタビュー 絵画、哲学、そして陶芸へ。異色の経歴を歩んだ前田麻美さんに、うつわ作りの原点と日々の思いを伺いました。 続きを読む   哲学と絵画、そして陶芸へ──異色の歩みが育む美意識 前田麻美さんは、絵画や哲学を学んだのち、陶芸の道へ進んだ異色の経歴を持つ陶芸家です。古代ギリシャ哲学の思考を通して養った論理的な視点は、焼成や釉薬といった技術的な側面にも活かされています。 伝統技法を丁寧に受け継ぎながらも、自由で奥行きのある感性が、彼女の作品に清水焼の新しい風を吹き込んでいます。   ボタニカルな清水焼。おしゃれなうつわで日常に彩りを 前田麻美さんの器の魅力は、花や葉、植物のかたちや模様を取り入れたボタニカルなデザインにあります。 イギリスのアンティークや骨董品からヒントを得た意匠は、どこか懐かしくもあり、現代の暮らしにもなじむおしゃれな器として高く評価されています。 落ち着いた色合いとやわらかなフォルムは、料理や空間のテイストを問わず調和し、和にも洋にも自然に溶け込みます。   日々の食卓に寄り添う、心地よいうつわ 「作る人と使う人の関係を大切にしたい」──そう語る前田麻美さんの器は、ただ美しいだけでなく、毎日の暮らしで使いやすいように設計されています。 料理を選ばず盛り付けられる万能な形とサイズ。器そのものが主張しすぎず、料理を引き立て、使うたびに心が和らぐような存在です。   おしゃれで上質な清水焼を、あなたの暮らしに 京都の風土と文化に根ざしながら、現代の美意識に寄り添う前田麻美さんの作品は、おしゃれな清水焼として、日々の食卓に静かな華やぎをもたらしてくれます。 伝統と感性のバランスを大切にしたうつわは、ギフトとしても、自分のための一品としてもおすすめです。 毎日手に取る器から、暮らしは少しずつ変わっていきます。そんなきっかけを、Jiucascaのうつわから見つけてみませんか? Jiucasca 前田麻美 陶歴 1988年    東京生まれ...

天目や青瓷のスペシャリスト、和泉良法さん インタビュー-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

天目や青瓷のスペシャリスト、和泉良法さん インタビュー

こんにちは、コトポッター店主の横山です。 今回は、京都・京北に工房を構える陶芸家・和泉良法さんにお話を伺いました。   和泉さんは、天目や青瓷などの※窯変 技法を中心に、美しいグラデーションを生む作品で多くのファンを魅了し続けている作家です。 ※窯変…釉薬に含まれる鉱物などを焼成中に化学反応させて色彩を生み出す技法。 50年以上のキャリアをもつ和泉さんに、陶芸の始まりから現在に至るまでの思いや作品制作への姿勢を、じっくりと伺いました。 和泉良法 1947年9月 京都市東山に生まれる。 1970年   大阪芸大クラフトデザイン陶芸科卒業 1971年   京都市立工業試験場卒業 ~ 1977年 東京・大阪にて毎年個展を開く 1994年 中国に渡り青磁、天目の古窯跡を視察 2013年 右京区京北に陶房を移す   陶芸を始めたきっかけは? 横山:陶芸の道を志したきっかけをお聞かせください。 和泉さん:実家が東山の※ 日吉 で清水焼の卸売をやってたんや。せやから、清水焼とか焼き物は小さいときから身近にあった。大阪の大学で陶芸を学んだこともあったし、家業を継ぐことも考えたけど、『ものを売るより作るほうが自分に向いとる』と思って、陶芸の世界に入った。 ※日吉…京都市東山区の日吉地区。窯元が立ち並ぶ歴史ある地区。 横山:大学ではどのようなことを学ばれましたか? 和泉さん:※ 鈴木治 さんや※ 林康夫 さんさんが教えてはった。当時からトップの陶芸家で、伝統的な焼き物よりむしろオブジェ的な作品がメインやったかな。 ※鈴木治…1926-2001。戦後の陶芸界をリードした走泥社の創立メンバー。京都市立芸術大学名誉教授であった。 ※林康夫…1928-。 第30回フアエンツア国際陶芸展...

天目や青瓷のスペシャリスト、和泉良法さん インタビュー

こんにちは、コトポッター店主の横山です。 今回は、京都・京北に工房を構える陶芸家・和泉良法さんにお話を伺いました。   和泉さんは、天目や青瓷などの※窯変 技法を中心に、美しいグラデーションを生む作品で多くのファンを魅了し続けている作家です。 ※窯変…釉薬に含まれる鉱物などを焼成中に化学反応させて色彩を生み出す技法。 50年以上のキャリアをもつ和泉さんに、陶芸の始まりから現在に至るまでの思いや作品制作への姿勢を、じっくりと伺いました。 和泉良法 1947年9月 京都市東山に生まれる。 1970年   大阪芸大クラフトデザイン陶芸科卒業 1971年   京都市立工業試験場卒業 ~ 1977年 東京・大阪にて毎年個展を開く 1994年 中国に渡り青磁、天目の古窯跡を視察 2013年 右京区京北に陶房を移す   陶芸を始めたきっかけは? 横山:陶芸の道を志したきっかけをお聞かせください。 和泉さん:実家が東山の※ 日吉 で清水焼の卸売をやってたんや。せやから、清水焼とか焼き物は小さいときから身近にあった。大阪の大学で陶芸を学んだこともあったし、家業を継ぐことも考えたけど、『ものを売るより作るほうが自分に向いとる』と思って、陶芸の世界に入った。 ※日吉…京都市東山区の日吉地区。窯元が立ち並ぶ歴史ある地区。 横山:大学ではどのようなことを学ばれましたか? 和泉さん:※ 鈴木治 さんや※ 林康夫 さんさんが教えてはった。当時からトップの陶芸家で、伝統的な焼き物よりむしろオブジェ的な作品がメインやったかな。 ※鈴木治…1926-2001。戦後の陶芸界をリードした走泥社の創立メンバー。京都市立芸術大学名誉教授であった。 ※林康夫…1928-。 第30回フアエンツア国際陶芸展...

陶芸村を代表する老練の陶工 加藤永峰-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

陶芸村を代表する老練の陶工 加藤永峰

加藤永峰が50年の経験で生み出す作品は、伝統と機能性が融合した温かみのある器。陶器や磁器を自在に操り、熟練の技と早い作陶ペースが際立つ彼の作品は、手に取るたびに心を満たします。宇治市炭山の工房で生み出される色彩豊かな京焼・清水焼の魅力をご堪能ください。

陶芸村を代表する老練の陶工 加藤永峰

加藤永峰が50年の経験で生み出す作品は、伝統と機能性が融合した温かみのある器。陶器や磁器を自在に操り、熟練の技と早い作陶ペースが際立つ彼の作品は、手に取るたびに心を満たします。宇治市炭山の工房で生み出される色彩豊かな京焼・清水焼の魅力をご堪能ください。

四季を映す、雅な器。京都・五条坂「花光山窯」を訪ねて-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

四季を映す、雅な器。京都・五条坂「花光山窯」を訪ねて

歴史ある五条坂に佇む窯元 京都・東山区。世界遺産・清水寺へと続く歴史ある通り、五条坂の少し奥まった場所に「花光山窯」があります。 海外からの観光客も多く訪れるこの地に、四代続く窯元としての歴史を感じさせる佇まいが静かに建っています。 京都らしい町家づくりの屋敷が並ぶ、奥ゆかしい陶工房。 生活の中に作陶が根付いていることを体現するかのように、ひとたび足を踏み入れると、絵具や筆が並び、棚には陶芸の専門書や見本がびっしりと収められています。 乾山に通じる、雅なうつわ 花光山窯は、京都の食文化を彩る本格的な和食器を手がけてきた窯元です。 江戸時代の名工・尾形乾山の作風に通じる、四季折々の花鳥を描いた雅なうつわを得意としています。 陶器ならではの温かみある風合いに、伝統的な和絵具で彩られた草花。花びら一枚一枚を丁寧に描き、盛り上がった絵具が生み出す立体的な陰影まで美しい絵付けが魅力です。 家族で守り継ぐものづくり 家族で営まれる花光山窯。四代目当主・和田初さんの息子である和田学さんも、自然な流れの中で陶芸を学び、家業に加わりました。 和田さんは和食器づくりを受け継ぎつつ、料亭などで使われる本格的な食器にとどまらず、家庭でも使いやすいうつわづくりを模索してきました。   暮らしに寄り添う器のかたち 乾山のうつわづくりの精神をそのままに、マグカップや湯呑、使い勝手のよい皿など、日々の暮らしに寄り添ううつわを幅広く制作しています。 現代のライフスタイルに合ったフォルムでありながら、清水焼ならではの風雅なインスピレーションを感じさせるその作品は、国内外で高い人気を集めています。 生命力あふれる幹から満開に咲く桜や、余白をたっぷり楽しめる紅白梅の絵柄など、和のテイストをしっかり残しながら、日常の中で使う姿を思い描ける、暮らしに寄り添ったデザインです。 伝統の美しさを受け継ぎながら、現代の暮らしにもやさしく寄り添う――それが花光山窯のうつわです。   KOTOPOTTER 店主 横山雅駿 10年以上にわたり、京焼・清水焼はじめ伝統工芸品や陶磁器に携わっています。 京都の窯元や陶芸家と連携し知見や審美眼を深めながら、新しい伝統工芸品の在り方を模索しています。 2024年に京焼・清水焼専門のECサイトKOTOPOTTERを立ち上げました。

四季を映す、雅な器。京都・五条坂「花光山窯」を訪ねて

歴史ある五条坂に佇む窯元 京都・東山区。世界遺産・清水寺へと続く歴史ある通り、五条坂の少し奥まった場所に「花光山窯」があります。 海外からの観光客も多く訪れるこの地に、四代続く窯元としての歴史を感じさせる佇まいが静かに建っています。 京都らしい町家づくりの屋敷が並ぶ、奥ゆかしい陶工房。 生活の中に作陶が根付いていることを体現するかのように、ひとたび足を踏み入れると、絵具や筆が並び、棚には陶芸の専門書や見本がびっしりと収められています。 乾山に通じる、雅なうつわ 花光山窯は、京都の食文化を彩る本格的な和食器を手がけてきた窯元です。 江戸時代の名工・尾形乾山の作風に通じる、四季折々の花鳥を描いた雅なうつわを得意としています。 陶器ならではの温かみある風合いに、伝統的な和絵具で彩られた草花。花びら一枚一枚を丁寧に描き、盛り上がった絵具が生み出す立体的な陰影まで美しい絵付けが魅力です。 家族で守り継ぐものづくり 家族で営まれる花光山窯。四代目当主・和田初さんの息子である和田学さんも、自然な流れの中で陶芸を学び、家業に加わりました。 和田さんは和食器づくりを受け継ぎつつ、料亭などで使われる本格的な食器にとどまらず、家庭でも使いやすいうつわづくりを模索してきました。   暮らしに寄り添う器のかたち 乾山のうつわづくりの精神をそのままに、マグカップや湯呑、使い勝手のよい皿など、日々の暮らしに寄り添ううつわを幅広く制作しています。 現代のライフスタイルに合ったフォルムでありながら、清水焼ならではの風雅なインスピレーションを感じさせるその作品は、国内外で高い人気を集めています。 生命力あふれる幹から満開に咲く桜や、余白をたっぷり楽しめる紅白梅の絵柄など、和のテイストをしっかり残しながら、日常の中で使う姿を思い描ける、暮らしに寄り添ったデザインです。 伝統の美しさを受け継ぎながら、現代の暮らしにもやさしく寄り添う――それが花光山窯のうつわです。   KOTOPOTTER 店主 横山雅駿 10年以上にわたり、京焼・清水焼はじめ伝統工芸品や陶磁器に携わっています。 京都の窯元や陶芸家と連携し知見や審美眼を深めながら、新しい伝統工芸品の在り方を模索しています。 2024年に京焼・清水焼専門のECサイトKOTOPOTTERを立ち上げました。

京の雅を宿す器 岩華窯 高木竜太-Stories and insights about Japanese pottery, artists, and Kyoto craftsmanship.

京の雅を宿す器 岩華窯 高木竜太

京都・清水焼の魅力が詰まった「岩華窯」は、六代目・高木竜太氏と熟練職人たちが手がける窯元です。透明感のある白磁に染付や鉄絵が施された器は、清水焼の伝統と現代的な美意識が融合した気品ある佇まいが特徴です。沖縄で学んだ「トルコブルー」の青も取り入れた一部作品は、日常に爽やかさを添える特別な逸品です。日常の食卓を雅やかに彩る岩華窯の作品が、京都の雅をそっと届けます。

京の雅を宿す器 岩華窯 高木竜太

京都・清水焼の魅力が詰まった「岩華窯」は、六代目・高木竜太氏と熟練職人たちが手がける窯元です。透明感のある白磁に染付や鉄絵が施された器は、清水焼の伝統と現代的な美意識が融合した気品ある佇まいが特徴です。沖縄で学んだ「トルコブルー」の青も取り入れた一部作品は、日常に爽やかさを添える特別な逸品です。日常の食卓を雅やかに彩る岩華窯の作品が、京都の雅をそっと届けます。