若き感性は伝統をアップデートする 陶仙窯

伝統と現代が融合する清水焼の美

京都らしい町家が立ち並ぶ一角に工房を構える「陶仙窯(とうせんがま)」。その工房で、岡山高大(おかやま たかひろ)さんは日々、うつわ作りに取り組んでいます。

岡山さんは、清水焼の伝統的な技術を大切にしながらも、現代の感性を活かした作品で知られています。

 

色彩と形に宿る奥深い美しさ

京都で生まれ育ち、陶芸の道を深めてきた岡山さんは、その確かな技術と情熱によって、数多くの作品を生み出してきました。

彼の作品は、一見シンプルでありながらも奥行きのある美しさが魅力。
ピンクやブルーなど鮮やかな釉薬(うわぐすり)で仕上げられたうつわには、まるで氷が割れたような模様が浮かび上がり、一点一点異なる表情を見せます。

かたちと色のバランスが絶妙で、実用性がありながらも、見る人の心を惹きつける存在感があります。

 

明るい工房から生まれる確かな手仕事

清潔に整えられた工房では、若い陶工たちと共に、明るく開かれた雰囲気の中で作陶が行われています。

ろくろの回転音、粘土を練る感触、そして焼成の熱気。そんな日常の中で、岡山さんは一つひとつのうつわに集中し、手作業ならではの丁寧なものづくりを積み重ねています。

粘土選びから釉薬の調合、焼き上げまで、すべての工程に心を込めて取り組んでいる姿勢が、作品の質の高さにそのまま表れています。

「日々の暮らしに寄り添い、心を豊かにするうつわを作りたい」
その想いが、彼の作品に触れたときに自然と伝わってきます。

 

受け継ぎ、つなぎ、挑戦する

伝統を守りつつ、常に新たな表現に挑み続ける岡山高大さんのうつわは、暮らしにすっと馴染みながらも、あたたかみと豊かさを与えてくれます。

作品を使うたびに、工房での制作風景や作り手の想いが感じられ、使い手の日常にそっと彩りを添えてくれることでしょう。

 

作家プロフィール|岡山 高大(おかやま たかひろ)

  • 1976年 京都市に生まれる
  • 1999年 成安造形大学 造形美術科(ファイバーアート専攻)卒業
  • 2000年 京都府立陶工高等技術専門校 成形科 修了
  • 2001年 同校 研究科 修了
  • 2002年 京都市工業試験場「みやこ技塾」陶磁器コース本科 修了
  • 2007年 ALTIGIANATO2007(イタリア)出品
  • 2008年 「京もの認定工芸士」認定
  • 2013年 髙島屋京都店にて「岡山高大 陶展」開催
  • 2014年 「未来の名匠」に認定
  • 2015年 タリーズコーヒー「京Mag」にて商品販売
  • 2016年 髙島屋京都店にて「岡山高大 陶展」開催
  • 2018年 髙島屋京都店にて「陶 to 漆 二人展(岡山高大・加藤友理)」開催
  • 2021年 髙島屋京都店にて「陶 to 漆 二人展(岡山高大・加藤友理)」開催

所属:京都美術作家協会
講師:京都市産業技術研究所 伝統産業技術後継者育成研修


店主のイラスト

KOTOPOTTER 店主

横山雅駿

10年以上にわたり、京焼・清水焼はじめ伝統工芸品や陶磁器に携わっています。

京都の窯元や陶芸家と連携し知見や審美眼を深めながら、新しい伝統工芸品の在り方を模索しています。

2024年に京焼・清水焼専門のECサイトKOTOPOTTERを立ち上げました。


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