古来より伝わる技法
陶器らしさは「用と美」を表す
京都の歴史あるお寺・泉涌寺のほど近くにある工房で、伊藤典哲(いとう のりあき)さんは日々、うつわ作りに励んでいます。
伝統的な技法である「三島手(みしまで)」と、やわらかな質感の「粉引(こひき)」を組み合わせ、あたたかみのある器を生み出しています。
選び抜いた土と、さらりとした粉引の釉薬が重なり合い、手に心地よくなじむうつわが完成します。

自作の道具で生まれる個性的な表現
伊藤さんは、模様をつけるための「陶印(とういん)」も自ら制作し、多彩なデザインを器に施しています。
そのため、どの作品も個性があり、ほかにはない魅力が感じられます。
工房にはゆったりとした時間が流れ、静かで穏やかな空間の中で、伊藤さんは集中して作品づくりに取り組んでいます。

日常の中に、静かな美しさを
伊藤さんの人柄は、おだやかであたたかく、その雰囲気は作品にも自然と表れています。
どこか懐かしさを感じさせるその器は、食卓の一角にそっと寄り添い、暮らしの中に「用の美」――使いやすさと美しさ――をもたらしてくれます。
伊藤典哲さんの作陶は、伝統を受け継ぎながらも、現代の感性を取り入れたやさしい表現で、日本の陶芸の魅力を次の時代へとつないでいます。

KOTOPOTTER 店主
横山雅駿
10年以上にわたり、京焼・清水焼はじめ伝統工芸品や陶磁器に携わっています。
京都の窯元や陶芸家と連携し知見や審美眼を深めながら、新しい伝統工芸品の在り方を模索しています。
2024年に京焼・清水焼専門のECサイトKOTOPOTTERを立ち上げました。