一閑人、交趾、染付
古典的な図案がモダンに交差する
京都・東山の落ち着いた一角に位置する秀峰堂
当主・武内裕は清水焼の伝統を守りつつ、新しい感覚を取り入れた作品を創り出している。
伝統的な図案に現代的な要素を融合させた独自のスタイルで知られる。
一閑人の器に染付けとイッチン盛り、交趾焼きを組み合わせた技法は、その技術の高さを物語っている。
(イッチンの過程。成形された生乾きの陶土に専用の道具で土を絞り出す)
一閑人とは、中国から伝わり日本の茶道具として使われ始めたデザインで、井戸を覗く人を表現したもので、「井戸のぞき」とも呼ばれる遊び心のあるデザインだ。
(一閑人。丁寧に成形された土の人形をうつわのフチにつける)
これにより、作品は食卓を明るく彩るだけでなく、見る者に深い印象を与える。
毎年、武内は自身の個展を開催している。
これは新しいデザインを披露し、目の肥えた愛好家たちと直接交流する場となっている。
こうした機会を通じて作品は絶えず進化し続けている。
(図案の見本たち。個展ごとに膨大なデザインを創り、年を追うごとに洗練される。)
還暦を迎えた今も、創作意欲は衰えることなく、むしろ更に意欲的に作陶活動を行っている。
この情熱が、作品全体に生命を吹き込み、持つ人々の生活を豊かに彩っている。