自然と伝統が織りなす
時代を超える芸術
京都の古寺、勧修寺のほど近くに位置する大日窯では、竹村繁男と息子の陽太郎が、それぞれの時代を映し出す作品を創り出している。
繁男は自然由来の素材を活用した独自の釉薬や顔料技法で知られ、植物の力強さを形に変える。
一方、陽太郎は、より現代的なアプローチを取り入れ、形や色の実験を通じて新しい表現を追求している。
(古格ある工房は意外にも1990年代に建てられたもの)
ぶどう農家を家業とする竹村家で育った竹村繁雄。
ぶどうの枝葉を燃やし、その灰を溶かした釉薬が美しい色と質感をもたらした。
以来、多様な植物の灰を利用した独自の表現を陶芸に取り入れている。
大自然を好む彼の性格がインスピレーションとして陶の表現を広げている。
(名工のもとで厳しい修行時代を過ごした繁雄氏は確かな技術がある)
陽太郎はエアスプレーとマスキングテクニックを駆使して、鮮やかな色のグラデーションと幾何学模様を用いた現代的なデザインを展開している。
はっきりとした色彩とモダンなデザインは見るものに鮮烈な印象を与える。
(エアスプレーを用いた釉掛けはグラフィックアートのような鮮烈のカラーを生む)
工房の中では、繁男と陽太郎の技術が独特な対話を織りなす。
二人の技術と感性が織り成す作品は、見る者の心を引きつけ、日本の陶芸の未来を切り開いている。
彼らの手がける器は、日常の中に静かに溶け込みながらも、その存在感で空間を豊かに彩る。
(同じ工房で作られた陶器とは思えないほど表現に幅がある作品たち)
大日窯の作品は、使うほどにその魅力が深まり、持ち主にとってかけがえのない価値を持ち続ける。