伝統的手工芸の美しさ
日常に輝く器
京都・京北の静かな山あいにある工房「TATA Pottery Studio」では、陶芸家・田中大輝(たなか だいき)さんは、10年以上にわたり丁寧にうつわづくりを続けています。

自然の音が心地よく入り込む環境のなか、田中さんの手は陶土を自在に操り、日常に寄り添う美しい器を生み出しています。
鋳込みとろくろを駆使した美しい器

田中さんは京都精華大学で陶芸を学び、陶芸家・村田森氏に師事。
その経験を活かし、鋳込みやろくろ成形の技法を駆使して、白磁や藍色の器を中心に制作しています。
工房では、土の選定から焼き上げまで一貫して行われ、ひとつひとつの作品に田中さんの思いが込められています。
仲間とともに新しい京焼の世界観をつくる

TATA Pottery Studioでは、田中大輝さんと大学時代を過ごした仲間の田辺桂(雅号:考える筆)さんが絵付けをした作品も人気です。
若い絵師ならではのメルヘンな絵付けが特徴です。

下絵付けで描かれる淡い色彩は心が安らぐかわいらしい絵付けがTATA Pottery Studioの代表的な作風になっています。
シンプルな美と使いやすさ

田中さんの白磁のうつわは、すっきりとしたデザインとやさしい手触りが特徴です。
日々使う中で、その表情が少しずつ変化していく――そんな、使い手との関係性の中で育つ美しさが魅力です。
「日常の中で使われてこそ、美しさが生まれる」
田中さんはそんな“用の美”を追求しながら、シンプルで高品質な器づくりに励んでいます。
ひとつずつ丁寧に、静かに、まっすぐに

技術向上を常に目指しながら、日々淡々と作陶に取り組む姿勢は、作品の中に静かなエネルギーとして現れています。
手にした器からは、作り手の風景がふと浮かび、穏やかで満ち足りた気持ちを届けてくれます。
田中大輝さんの器は、暮らしのなかに自然と溶け込み、日常に新たな価値と潤いをもたらします。
作家プロフィール|田中 大輝(たなか だいき)
- 1990年 京都府 右京区 京北 生まれ
- 2012年 京都精華大学 芸術学部 素材表現学科 陶芸コース 卒業
陶芸家・村田 森 氏に師事 - 2015年 京都府 右京区 京北にて独立
- 2016年 陶四人展(朝日陶庵アートサロンくら/京都)
- 2017年 陶嗜好(阪急うめだ本店 手仕事ギャラリー/大阪)
- 2019年 クラフトフェア飯田(長野)
- 2020年 Instagramにてオンライン受注会
- 2021年 信楽作家市(滋賀)
- 2022年 アニマル陶器市(カタカナ自由が丘店/東京)
- 2022年 Potter’s exhibition「食のうつわ展」(Bum gallery/大阪)
- 2022年 田中大輝 個展「うつわとなり」(京都陶磁器会館/京都)

KOTOPOTTER 店主
横山雅駿
10年以上にわたり、京焼・清水焼はじめ伝統工芸品や陶磁器に携わっています。
京都の窯元や陶芸家と連携し知見や審美眼を深めながら、新しい伝統工芸品の在り方を模索しています。
2024年に京焼・清水焼専門のECサイトKOTOPOTTERを立ち上げました。